MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法 目次【本の概要】【サマリー】【本の感想】【「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」のリンクと目次】 【本の概要】 有名 ... これまでにバリュエーション指標の基本的な考え方と、計算するときの注意点(将来予想をベースにする)について説明してきました。 今回は、バリュエーション指標の使い方と「相対評価」という視点を紹介します。 ... 第2回日本株ファンダコンペのエントリー銘柄の一覧です。どんな視点で銘柄を選んでいるのか参考になりますし、今まで知らなかった面白い企業に出会える良い機会だと思います。面白いと思ったアイデアにはいいねで応援よろしくお願いします。. ※g=成長率、Ke=株主資本コスト, 理論PERを計算するためには、ROE、成長率g、株主資本コストKeをそれぞれ推定する必要があります。, まずはROEについてです。①純利益率、②総資産回転率、③財務レバレッジの3つに分解して考えます。, 上記の前提をもとに、弁護士ドットコムが成熟した時のROEは17%(純利益率20%×総資産回転率0.7×財務レバレッジ1.2)になると考えました。, 続いては成長率gについてです。日本企業(資本金10億円以上、金融除く)の純利益成長率は1960年以降だと5%程度なので、成熟した弁護士ドットコムの成長率gも5%とします(法人企業統計より)。, 株主資本コストは7%(リスクフリーレート1%+ベータ1.0×株式リスクプレミアム6%)と仮定します。, こうして、ROE 17%、成長率5%、株主資本コスト7%を得ることができました。これらの数値を理論PERの公式に当てはめてやると、妥当PER 35倍という数値が算出されます。, 理論PER=(ROE-g)÷{ROE×(Ke-g)}=(17%-5%)÷{17%×(7%-5%)}=35倍, これは先ほど比較対象となったリクルート、カカクコム、はてなのPERが30倍前後となっていることと整合するので、今回は「弁護士ドットコムのPERが将来的には35倍に落ち着いてくる」と仮定して次のステップに進もうと思います。, ステップ①では、弁護士ドットコムが成長フェーズから成熟フェーズに移った時、どれぐらいのPERで市場から評価されるのかを考えました。, もしあなたが弁護士ドットコムの業績予想を作ることができるのであれば、ステップ①で考えた妥当PERにあなたの予想EPSをかければ目標株価を算出できます。今の株価がこの目標株価よりも安いのであれば、買いの投資判断となります。, しかし業績予想を作るためには専門的なスキルも必要になってくるので、今回はもう少し簡単に考えてみようと思います。それが今回解説している「今の株価が織り込んでいるEPSの水準を推測して、弁護士ドットコムがその水準を達成できそうかを考える」という逆説的なアプローチです。, 妥当PERの推定は少し大変でしたが、今の株価が織り込むEPSの水準を計算するのは簡単です。単純に「今の株価÷妥当PER」でEPSを計算すればいいんです。, 弁護士ドットコムの今の株価は4,660円です(2019年10月25日終値)。そして将来の妥当PERが35倍でしたので、4,660円÷35倍=133円が「今の株価が織り込んでいる弁護士ドットコムの将来のEPS」となります。, 今の株価が織り込んでいる弁護士ドットコムの将来のEPSが計算できたので、ステップ③では実際にこのEPSを達成できそうかどうかを考えます。, もし十分に達成可能だと考えるのであれば今の株価は割安と判断できますし、逆に達成が難しそうなのであれば今の株価は割高なので買わない方がいいかもしれません。, EPS133円と言われてもいまいちピンとこないので、ここから売上高、営業利益、当期純利益を逆算してみます。EPS133円に相当する純利益は29.6億円です。将来の純利益率は20%になると推定していたので、売上高は148億円となります。純利益から逆算した営業利益は45.5億円であり、営業利益率も30%まで改善する見込みとなっています。, 売上高148億円は2020年3月期の会社計画から3.4倍の水準、営業利益45.5億円は8.8倍の水準です。, この数字だけ見ると、第一印象は普通に行けるんじゃないか?って感じましたが、もう少し細かく検証してみようと思います。, 弁護士ドットコムには4つのビジネスがあります。2019年3月期の連結売上高31.3億円の内訳は以下の通りです。, このうち今後の成長余地が大きい弁護士ドットコムとクラウドサインの2つのビジネスについて、売上高の成長余地がどれぐらいあるのかを考えてみます。, 弁護士ドットコムは個人の有料会員が弁護士に無料相談できるサービスですが、弁護士サイドから見ると月額課金の有料会員になると弁護士ドットコムを通じたマーケティング支援を受けることができるサービスとなります。, ちなみに、個人の有料会員からの収入は上の表の「有料会員サービス」の中に含まれているので、弁護士向けのサービスと比べると売上の規模はかなり小さいです。, まずは弁護士マーケティング支援サービスのKPIを①有料会員数と②単価に分けて、それぞれの状況を見てみます。, 国内の弁護士数が41,155人で、そのうち10%強の4,476人が有料会員となっています。, 月額20,000円~50,000円の4つのプランがあり、これとは別に初期手数料が50,000円かかります。, 2019年1-3月期(3か月)の弁護士マーケティング支援サービスの売上高は468百万円でした。弁護士の有料会員数は2018年12月で4,302人、3月で4,476人でした。初期事務手数料はあまり大きくないのでそれを無視して「売上高÷会員数(1-3月平均の4,389人)÷3か月」で計算すると、弁護士1人当たりの月額課金額は約35,000円となります。, ここからどれぐらいのアップサイドがあるのか、①日本の弁護士数と②有料会員登録率に分けて考えてみます。, まず、国内の弁護士数は司法制度改革で年々増えており、日本弁護士連合会の予測によると2035年には56,453人(2019年比+37%)に増えると見込まれています。これはそのまま市場規模の拡大として弁護士ドットコムの売上拡大に貢献しそうです。, 現在は日本の弁護士の10%強が弁護士ドットコムの有料会員になっています。2015年3月時点だとこの有料登録率は4%強(有料会員数1,564人÷弁護士数36,470人)だったので、4年間で6ポイント増えたことになります。, 弁護士の数がかなり増えているので、弁護士の1人当たり収入は2000年と比べるとかなり減っています(2000年3,793万円→2018年2,143万円)。今後も1人当たり収入は減り続けると思うので、マーケティングに費用をかける余裕はなくなっていくと思います。一方で、弁護士間の顧客獲得競争も激しくなるので、逆に弁護士ドットコムのようなマーケティング支援の需要が高まるという見方もできます。, ここで参考になるのが事務所の規模別弁護士数です。大手事務所に所属している人はわざわざ弁護士ドットコムのマーケティング支援にお金を払う必要はないと思うので、メインターゲットになるのは小規模の弁護士事務所に所属する弁護士だと思います。, そして、所属弁護士数が1~5人の小規模事務所に所属している弁護士は全体の60%以上もいるので、彼/彼女らが弁護士ドットコムの有料会員に流れれば有料登録率にはまだアップサイドがあるんじゃないでしょうか。, 仮に有料登録率が20%まで上昇し、弁護士の数も予測取り37%アップしたと仮定すると、弁護士マーケティング支援サービスの2035年の売上高見込みは47億円(弁護士数56,453人×有料登録率20%×月額単価35,000円×12ヵ月)と計算できます。これは現在の2.6倍の水準です。, クラウドサインとは、クラウド上で契約書のやり取りや管理をすべて行えるWeb完結型の電子契約サービスです。, クラウドサインの売上高は開示されていませんが、2019年3月期の決算資料を見ると、2019年3月期の2~3億円に対して2020年3月期では7~8億円まで拡大する計画のようです。, 国内の電子契約サービスの市場規模についてはITRま毎年の実績と将来予測を公表しています。以下がそのグラフですが、市場規模は2018年の37億円から2022年には117億円まで拡大すると見込まれています。, そんな中、クラウドサインの導入企業数は順調に伸びており、現在の市場シェアは80%以上あるようです。, 日本国内での競合は、米Docusign、米Adobeの「Adobe Sign」、日本のベンチャー企業Holmes、GMOクラウドの「Agree」などがあります。, DocusignやAdobeはサービス価格が高額なので大企業をメインターゲットとしているようです。一方で弁護士ドットコムのクラウドサインは価格が安く、どちらかというと中小企業がメインターゲットとなっているようです。なので導入企業数ベースでは80%以上の市場シェアとなっていますが、金額ベースでのシェアはもっと低いかもしれません。, DocusignはアメリカのNASDAQに上場している企業なので決算資料を見ることができます。Docusignの投資家向けプレゼン資料によると、電子契約サービスの市場規模はグローバルで250憶ドルまで成長する余地があると試算されています。, これらのデータから将来の①日本の市場規模と②クラウドサインの市場シェアを推測し、弁護士ドットコムの売上高にどれぐらいの成長余地があるのかを考えてみました。, このように、現在はまだ7~8億円の売上高しかないクラウドサインですが、将来的には300億円以上まで成長するポテンシャルを秘めていると推測できます。, ここまでの話をまとめると、弁護士向けマーケティング支援サービスとクラウドサインの2事業だけで、将来的には350億円以上の売上高になる可能性を秘めています。さらに弁護士ドットコムの個人向けサービス、弁護士と同じぐらいの報酬市場がある税理士向けサービスの「税理士ドットコム」の成長も加わることになるので、400~500億円の売上高は将来的に十分達成可能というのが結論です。, 弁護士ドットコムの弁護士向けサービスだけではいずれ成長の限界がくるでしょう。しかし売上規模が弁護士マーケティング支援サービスの5分の1以下である税理士ドットコムは報酬市場の規模を考えると弁護士ドットコムと同じぐらいの規模まで成長する余地があります。, クラウドサインはまだ立ち上がったばかりの市場で80%以上のシェアを持っており、ポテンシャルマーケットはかなり大きいので弁護士ドットコムの数倍のビジネス規模まで成長する余地がありそうです。, 弁護士ドットコムとクラウドサインの成長余地を推定した前提となるデータは以下の通りです。, 当記事のテーマは、PERが300倍を超えている弁護士ドットコムが割高なのか割安なのかを判断することでした。, そのためにまず、同業他社との比較や理論PERの公式を使って、成長が落ち着いたときの弁護士ドットコムの妥当PERは35倍であると考えました。そして今の株価と妥当PERから市場が期待するEPSは133円だと逆算し、弁護士ドットコムの成長余地を検討してそのEPSは達成可能なレベルなのかどうかを検討しました。, その結果、まだビジネスとして立ち上がったばかりのクラウドサインの成長余地がかなり大きいことが分かり、EPS 133円は十分に達成可能なレベルだと判明しました。, 市場が期待してるEPSは十分に達成可能どころか将来的には売上ベースでは市場期待の倍以上まで成長できるポテンシャルがあることが分かり、この分析からは弁護士ドットコムはPERが300倍以上だけど決して割高な水準ではないという結論が得られます。, この投資判断には下値の安全域がない(ビジネスがうまくいかなかった時の株価下落余地が大きい)ので、当たり前ですがバリュー株投資家の投資対象になる銘柄ではないと思います。, ですが、単純にPER 300倍以上という数値だけで判断すると割高に思えてしまいますが、今回のように市場が期待している利益のレベルを逆算して企業の成長余地を検証すると、必ずしも弁護士ドットコムが割高だとは言い切れなくなります(むしろクラウドサインの成長が実現するのであればかなり割安)。, このプロセスは高PER銘柄の投資判断を考える時に使えるので、弁護士ドットコム以外のケースでもぜひ試してみてください。, ※当記事は特定銘柄の投資を推奨しているものではありません。投資は自己判断でお願いします。, 元外銀勤務。現在は外資系の金融機関で日本株のファンドマネージャー。30代で資産10億を目指して、日本株、米国株、新興国株、海外不動産、仮想通貨に投資をしています。, このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。.

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